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第七魔法空間より

日記と言うよりは月記のほうが相応しいゆるゆる雑録。 独自研究やおすすめのゲーム、ラノベの紹介など。

無題

お久しぶりです、みまさかです。

恒常的にインターネットに接続する環境が無いとしても、なかなかに耐えられてしまうのが恐ろしいところで、そんなことを言っているとまたしても更新停滞が癖になりそうで危険です。

はてさて、一部の方には試験お疲れ様。と、ここで言うことでねぎらいに代えさせてもらうとして、本題。

こんないい加減な形でサイト及びブログを続けていくのは本意ではないわけで、ちっとは客を呼べるようなコンテンツでも設けましょうか、と。
そうすると選択肢は二つ。

一つはレビュー。
興味本位でフリーゲームをかなり収集したり、実に微妙な傾向でラノベを蒐集したりしているのでネタには困らないかな、と。
もう一つはテキスト。
いつも違うところに使うものばかり書いているので忘れがちだけど、うちのサイトって本来小説サイトを目指してた気がするし……

どうするべきか、実は結構真剣に悩んでいるので、よければコメントにでも適当に一言意見を貰えるとありがたいです。

それでは、明日もまた、風が優しく在るように。

追記:参考までに某所で使用したテキストを添付。
出来については何も言うまい。こちらにも感想があればコメントにでもどうぞ。

『無題』

 さあ、今日は昔のお話をしよう。どれくらい昔かって? それは君たちが生まれるよりも、君たちのお祖父さんお祖母さんが生まれるよりももっとずっと前のお話。
 そう、その頃はまだ、昼はあんなに明るくなくて夜はこんなに暗くはなかった。何せその頃は空に明るいものなんて何一つ無くて、一日中ずっと蒼いままだったのだから。


 さて、小さな小さな村があった。住んでいる人も両の手の指十回で足りるくらい小さな小さな村だった。人々の生活は今よりももっとずっと不便で、大変な事も多かったけれど皆で助け合って、仲良く楽しく暮らしていた。
 この村は村人の半分が羊飼いだ。だだっ広い原っぱと、もっとだだっ広い空があるだけで、特別何かがある村じゃなかった。でも、この村にも他の村に誇れることが一つだけあった。
 輝くように美しい、そう村の外までも評判の若い姉妹がいた。白雪美し、とはよく言ったものだがこの姉妹にはそんなことは無かった。姉は物静かだが芯の通った優しい娘で、彼女が歌えば鳥も虫も皆一緒になって歌った。妹はお転婆だが姉譲りの優しさも持っていて、彼女が踊れば花も葉も身体を揺らして楽しんだ。
 二人が力を合わせて悪い竜を退治したこともあった。遠い国の王子が評判を聞いて求婚しに来た事もあった。けれどそれは別のお話。またの機会にお話しよう。

 ある日のことだ。妹が村の広場で動物達とおしゃべりをしていた。いつものように、他愛も無いおしゃべりだ。最近天気がいいね、とか、今日は何して遊ぼうか、とかそんなことを話していた。犬が言った。
「そう言えば、昨日素敵な骨を見つけまして。あの光沢といい歯ざわりといい、もう宝物ですよ」
妹には骨のどこがいいのかわからなかったが、犬が嬉しそうなので適当に相槌を打った。
「そう、犬さん。それはよかったわ」
今度は猫が言った。
「相変わらず犬公も妙なもんが好きだな。宝って言ったら魚だろ、サ・カ・ナ」
妹には魚のどこがいいのかわからなかったが、猫が嬉しそうなので適当に相槌を打った。
「そう、猫さん。それはよかったわ」
今度はリスが言った。
「どうせ猫さんのことだ、その宝物とやらももうお腹の中なんだろ。宝物って言えばやっぱりドングリさ。僕なら穴倉に大切にしまっておくね」
犬がそれに応じた。
「その気持ち分かりますよ。宝物は大切にしまっておくものですよね」
「けっ、俺だけ仲間はずれかよ。いーよーだ、俺には魚があるからな」
猫はふてくされたように顔を洗った。
 妹にはドングリのどこがいいのかわからなかったが、リスが嬉しそうなので適当に相槌を打った。
「そう、リスさん。それはよかったわ」
すると近くで話を聞いていた鴉が言った。
「可愛い娘さん、あんた、聞いてればさっきからそればっかりだな。あんたにはあるのかい? 宝物とやらは」
妹は言った。
「あるわ。それが何かは言えないけど」
それを聞いて、鴉は意地悪く笑って言った。
「言えないってのは怪しいな。無いんじゃないのか? 本当は」
妹としてはそんな侮辱には耐えられなかった。
「あるわ、本当よ。とっても綺麗で素敵なの。でも姉さんに、誰にも言っちゃ駄目って言われてるから内緒よ」
犬が言った。
「私の骨よりも素敵なんですか。それは是非見てみたいです」
猫も言う。
「俺の魚よりもか。そいつは見てみたいもんだな」
リスも言った。
「僕のドングリよりねえ。それは見てみたいな」
鴉が言った。
「ほら、皆見たいって言ってるぞ。持って来て見せたらどうだ」
妹は言った。
「でも姉さんに内緒だって言われてるから」
また鴉は意地悪く笑う。
「…嘘でないのであれば、持って来られるはずだな」
妹は言った。
「わかったわ。持って来てあげるから待ってなさい」
そう言って、家のほうへと駆けていった。

 姉妹には宝物があった。いつの日か二人で見つけたそれは、とても美しく、この世のものとは思えないほどであった。光を当てれば水面のようにさらさらと光を散らし、暗がりでは蛍のようにそれ自体が明るく照らす透明な石。それを見つけたとき、姉は妹に言った。これはホシといい、人が一生に一度だけ見つけられる宝物なのだ、と。また姉は、ホシはそれぞれの物であってホシの事を誰かに教えてはいけない、教えてしまうとホシは消えてしまうから、とも言った。
 さて、妹が家へと帰ってきた。
「姉さん、ただいま」
返事は無い。姉は今朝から村の外に出かけていて夕方まで帰ってこないはずだ。妹には好都合だった。
「姉さんはホシをどこにしまってるんだろ?」
妹はごそごそと戸棚を探す。普段は見たいと言ったときに姉が取り出してくるので妹は場所を知らない。
「あったわ」
少し探した後に見つける。親指の先くらいの大きさのホシ。
「…綺麗ね」
姉と一緒に眺めた事はあったが、一人でホシを眺めるのは初めてのことだった。透き通る、ともすれば中に吸い込まれてしまいそうな輝き。
「…………」
妹は本能的に顔を反らした。その拍子にするりと手から滑り落ち、かしゃん、と澄んだ音を立てて、ホシは砕けた。
「あ…」
妹が呆然としている前で、ホシのかけらは小さな光になって消えていった。
 どうしよう、妹は考えた。このことを姉に知られればきっと怒られる。姉は滅多なことでは怒らないが、ホシのことはとても気に入っていたから、きっと怒られる。いや、それどころか嫌われてしまうかもしれない。
 だがそれよりも先に、妹には動物達にホシを見せられないのが悔しくてしょうがなかった。あの綺麗さを認めてもらえないのが、悔しくてしょうがなかった。そうだ、見つからなかった事にして、言葉であの素敵さを伝えればいい。そう考えた妹は、また駆けていった。

「それで、持って来たのかい?」
鴉は開口一番そんなことを言う。妹は答えた。
「見つからなかったわ。姉さんがしまいこんでて場所が分からなかったの」
犬や猫、リスは心底残念そうに肩を落とした。鴉が言う。
「可愛い娘さん、あんた場所も分からないものを取りに行った、なんて頭は大丈夫かい?」
妹は答えた。
「失礼ね。頭なら大丈夫よ」
そのままホシについて話し始める。
「だけどね、それは風みたいに透き通っているんだけど、明るいところに出すと夏の小川みたいにきらきらと光を散らすの。それでね、ほんとにちっちゃい、これくらいの大きさなんだけど、暗いところだと蛍よりも明るく辺りを照らすの。あとね、あとね…」
動物達は興味津々、といった顔で聞いていたが、鴉だけが醒めた表情で言った。
「可愛い娘さん、あんたは意気揚々と宝物を取りに行ったのに、場所が分からなくって見つからなかったと言って帰ってきた。そのくせ今度はそんな夢みたいなものについての説明はべらべらと出てくる。なあ、そんなもの本当にあるのか?」
妹は少し腹を立てながら言った。
「あるわよ。嘘じゃないわ」
鴉も負けじと言い返した。
「いいや、あんたの行動は怪しすぎる。嘘に決まってる」
「嘘じゃないわ」
「いいや、嘘だ」
「嘘じゃないわ」
「いいや、嘘だ」
二人の激しい言い争いに、動物達はすっかり怯えてしまった。
 延々と続きそうな言い争いは、すぐに鴉のほうが折れてあっさりと終わった。
「わかったよ、嘘じゃないってんだろ。ならせめて証を見せてくれ」
鴉はそう条件をつけた。
「証?」
「そう、証だ。それの欠片でもいい、それを見た事のある人間でもいい。ともかくそれが本当にあることを示せるものだ」
妹は考えた。ホシの欠片は…無理だ。砕け散って、跡形も無く消えてしまった。姉さんには…頼めない。ホシを壊してしまった事も、ホシのことを話したこともばれてしまう。
「無いわ、でも嘘じゃないの。信じて」
鴉は呆れたように言った。
「いいかい、可愛い娘さん。あんたには難しい話かもしれないがな、見ることも出来ない、聴くことも出来ない、触ることも出来ない、そんなものは本当にあっても本当は無くても、存在しないのと同じなんだよ。だから、証を示せないあんたは嘘つき同然なのさ」
妹はカッとなって叫んだ。
「嘘じゃないっ。私は嘘つきじゃないわっ!」
鴉は言った
「全く大人気ない娘さんだな。さ、みんな他のとこ行くぞ」
そう言って、既に興味を失っていた動物達を先導してどこかへ行ってしまった。
「…嘘じゃ、無いのに」
賑やかだった広場には妹一人が残されていた。

 その日の夕方、相変わらずの蒼い空の下を歩いて帰ってきた姉は、村はずれの川のほとりで落ち込んでいる妹を見つけた。何かあったのだろう、そう察した姉は優しく声をかけた。
「あらあら、私の可愛い妹はどうしたのかしら?」
「姉さん…」
元気の無い妹に、姉はそのまま続ける。
「辛い事、苦しい事、なんでも、姉さんが聴いてあげるわよ」
妹は困ってしまった。姉さんは優しい。だからこそ本当のことは言えない。嫌われるかもしれないから。姉さんは賢い。だから姉さんに嘘をつくのは難しい。でもやらなきゃいけない。妹は慎重に言葉を選んで言った。
「あのね、姉さん。昼間、どうしてもホシが見たくなってね、戸棚の中を探したの。でね、見つけて手を伸ばしたんだけど、手が届く前にホシがふうっと消えちゃって」
姉は一瞬、不思議そうにきょとんとしていたが、すぐにクスクスと笑い出した。
「なーんだ。そんなことか」
今度は妹の方が一瞬呆然として、我に返って慌てて言った。
「そ、そんなことって、姉さん。姉さんホシをあんなに大切にしてたじゃない。だから私なんて言ったらいいかって悩んでたのに…」
姉は微笑みながら言った。
「それは大切だったわよ? でも可愛い妹の笑顔ほどじゃないわ。ほらほら笑顔笑顔」
そう言って無邪気に笑う姉に、妹の心は痛んだ。こんな優しい姉に嘘をついてしまった。
「…でもあなたにとっては違って見えてたのかしらね」
「え?」
急に真顔に戻って呟く姉に、妹は戸惑った。姉は誤魔化すようにまた笑う。
「あ、何でもないわよ。ひょっとしたら、あなたにはとても大切だったんじゃないかと思って」
「そ、そんなこと」
無いわけがない。姉は続けた。
「もし、ね。もし、そうだとしたら、またホシを探しに行かない? って思ったの」
「え、そんなこと出来るの?」
願っても無い申し出だった。
「出来るわよ。きっと長い長い旅になるから当分村には戻って来れない。それにあのホシは私が拾ったから、今度はあなたが自分で拾わないといけない。それでも、行く?」
またあのホシの輝きを見たかった。それにホシを見せればあの鴉だって嘘つきとは呼ばなくなるはずだ。妹は頷いた。
「よし、それなら早く帰って旅支度ね。さ、帰りましょ」
姉は妹の手を引いて家に帰った。
 姉妹はその日のうちに旅支度を終え、村の長老にだけ挨拶をして長い旅へと出発した。変わることのない蒼い空の下を歩いて。

 さて、姉妹はそれから何日も何日も歩いた。水も食べ物も途中で手に入れられるので、食べる事には困らなかった。それでも、何日も何日も歩いて村から遠く離れた頃、妹は姉に聞いた。
「姉さん、どこまで行くの?」
姉は笑って答えた。
「あの山の向こうまでよ」
妹にはどの山か分からなかったが、曖昧に頷いた。
「うん、わかった」
それからまた何日も何日も歩いた。川を渡り、森を抜け、山を越えた。また妹は同じことを姉に聞いた。
「姉さん、どこまで行くの?」
姉はまた笑って答えた。
「あの川の向こうまでよ」
妹にはどの川か分からなかったが、曖昧に頷いた。
「うん。わかった」
それからまた何日も何日も歩いた。森を抜け、山を越え、川を渡った。また妹は同じことを姉に聞いた。
「姉さん、どこまで行くの?」
姉はまた笑って答えた。
「あの森の向こうまでよ」
妹にはどの森か分からなかったが、曖昧に頷いた。
「うん、わかった」
そんなやり取りを何度繰り返したか、妹が村への道をすっかり忘れてしまった頃、姉が言った。
「ここら辺でいいかしらね」
そこには広い広い草原が広がっていた。どこまでもどこまでも草原が続いている風景。妹が言った。
「でも姉さん。どこにもホシは見当たらないよ」
姉は笑いながら言った。
「あら、いっぱいあるわよ? ホシはね、誰かの物になるまで生きてるの。そしてとっても恥ずかしがりやさんなの。だからね、普段は見えないように隠れてて、見つけたとしても、驚かすとすぐに逃げちゃうの」
妹は訊いた。
「じゃあどうすればホシを拾えるの?」
姉は優しく微笑みながら答えた。
「怖がらせないようにゆっくりと近づいていってね、優しくそっと両手で包むの。大変だけど頑張ってね」
「あれ、姉さんは拾わないの?」
妹の疑問に姉は苦笑して、
「私はもう拾っちゃったから。この手じゃもう生きてるホシには触れないの」
少し悲しそうに笑った。
「代わりにあなたがホシを探している間、私もホシを探しておいてあげるから時々会いにいらっしゃい」
そう言って、二人はその広い草原の中、手分けしてホシを探す事にした。

 二人の探し方は対照的だった。妹は辺りが暗いから見つからないのだろうと考えて、松明を持って辺りを照らしながら必死でホシを探した。じっと目を凝らして探した。草原全体を何度も何度も探した。見つからなかった。妹は、自分がホシを怖がらせてしまっているとは考えなかった。
 姉はホシが暗いところを好むのを知っていたから、暗いのを気にせずに探した。ゆっくりと歩きながら、静かに歌なんて歌いながら。すると、いつの間にか姉のまわりに一つ、二つとホシが姿を見せ始めていた。
 ときどき妹が姉に会いに来たが、姉の周りのホシたちは妹の明るさに怯えて姿を消してしまうので、いつ妹が見ても、姉はホシを見つけれられて居ないように見えた。妹がそう姉に言っても、姉は微笑むばかりで決してそのことを教えなかったし、妹が去るとまたすぐホシたちは姿を見せた。

 いつしか草原はホシで埋め尽くされたが、相変わらず妹の近くに居るホシたちは姿を隠してしまうので、妹はホシを見つけられずにいる。


 さあ、お話はここまでだ。何? 妹は結局ホシを見つけられなかったのかって? 見つけてないと思うぞ。だって今日もあれだけ頑張って空を駆け回ってたんだ、まだ探してるに違いないさ。……お、そこの君は気付いたみたいだね。何? あれはガスの塊と岩の塊で生きてなんかいない、ましてや姉妹であるはずが無いって? ふふふ、なかなか知的な考えだね。でも…そうだね、今すぐ証を示せるかい、君がそう信じ込まされているだけかも知れないよ? おやおや、冗談だからそんな怖い顔をしないでくれよ。
 忘れないで欲しいのはつまりそういうことさ。夢の中で夢に気付かないように、事実と言うものも得てして真実である事の見極めが難しい。自らの考えに囚われて、大切なものを失くさないように。
 それでは今日はおしまい。またいつか話を聴きにおいで。取っておきのを用意して待ってるから。

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  1. 2007/11/01(木) 22:31:24|
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